休眠会社ってどんな会社?休眠の理由・手続きの流れ・費用・注意点などを徹底解説
休眠会社という言葉を耳にしたことはあるけれど、実際にどのような会社なのか、深く理解している人は少ないかもしれません。休眠会社とは、一時的に事業活動を停止しているが、法人としての地位は保持している会社のことを指します。
本記事では、休眠会社の基本知識からメリットやデメリット、手続きの流れや注意すべきポイントなどを詳しく解説していきます。さらには、休眠会社のM&Aについても触れ、休眠会社制度を有効に活用するための情報を掘り下げて紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、企業経営における有効な選択肢としての休眠会社について、理解を深めていただければ幸いです。
目次
休眠会社とは
休眠会社とは、現在は活動をしていないが法的には存在し続ける株式会社のことを指します。
具体的には、以下に該当する会社を休眠会社といいます。
- 株式会社に関する登記が最後に行われてから12年が経過した会社
- 特定の手続きを経て意図的に活動を停止している会社
休眠会社は、事業を一時的に休止しているだけであり、必要な手続きを経れば、いつでも事業を再開することが可能です。
休眠会社の特徴は、事業活動を休止している期間は法人としての様々な義務が軽減される点にあります。しかし、会社としての法人格は維持されるため、将来的に事業を再開したい場合に備えて最低限の義務を果たす必要があります。
みなし解散との違い
みなし解散は、会社が一定期間活動をしていない場合に、法的に解散したものとみなされる制度です。
- 法務大臣からの公告に基づいて
- 2ヶ月以内に
- 休眠会社の本店所在地を管轄する登記所に対し
- 事業を廃止していない旨の届出もしくは必要な登記申請を行わなかった
休眠会社が上記の要件を満たした場合に、解散したものとみなされます。
みなし解散となった会社は、原則、事業を再開することができません。例外的に、みなし解散の登記がされた後、3年以内に株主総会の特別決議をすることで継続することができます。
みなし解散となっていない休眠会社は、いつでも事業を再開できます。
廃業との違い
廃業は、自主的に事業活動を終了し、会社を解散することを意味します。会社が廃業した場合、会社は解散と清算により消滅します。これによって法人格は消滅するため、事業を再開することはできません。
会社を廃業するためには、解散・精算登記などの手続きが必要ですが、廃業した後に手続きが必要になることはありません。
一方、休眠会社は法人格が維持されるため、いつでも事業を再開することが可能ですが、休眠中であっても、登記義務や納税義務があります。
休眠会社にする理由
企業経営には様々な課題が伴います。以下のような課題に対処する方法の一つとして、会社を休眠状態にするという選択肢が考えられます。
- 経営者の高齢化
- 他の事業が忙しい
- 事業再生のための時間確保
- 廃業の準備
以下で、休眠会社にする理由について詳しく解説していきます。
経営者の高齢化
経営者の高齢化は、中小企業や家族経営のビジネスにおいて深刻な問題です。経営者が高齢になると、日々の経営活動が困難になったり、健康上の理由で事業を継続できなくなる可能性が出てきます。事業を引き継いでくれる後継者がいれば問題はありませんが、後継者がいない、もしくは事業の売却先が見つからないというケースも少なくありません。
このような状況で会社を休眠会社にすることは、廃業により事業を終了させるよりも柔軟な対策となり得ます。休眠会社にすることで、後継者探しの時間を確保すると共に、事業の再構築に向けた計画を練る余地を持つことができます。
他の事業が忙しい
多角経営をしている企業や複数のビジネスを手掛ける経営者の場合、時には特定の事業へ集中する必要が出てきます。新しい市場への進出や、他の事業の拡大によって、リソースが分散してしまい、一部の事業がおろそかになってしまうといった場合です。
そういった状況においては、手が回らない事業を休眠会社として一時停止することで、経営資源をより効果的に活用することが可能になります。また、休眠中の事業に再び取り組むための適切な人材やリソースが整った時には、迅速に事業が再開できるといった柔軟な対応が可能です。
事業再生のための時間確保
事業を再生するには、多くの時間と労力を要します。特に、市場環境や消費者のニーズの変化、技術の進化などの外部環境に起因する課題に対応するには、綿密な計画と時間が必要です。休眠会社にすることで、財務状況の改善や再生計画の策定に専念できる時間を確保することができます。
休眠状態の期間を利用して、新しいビジネスモデルの開発や事業構造の見直し、さらには新しい市場への進出戦略など、事業を再生させるための基盤を固めることができるのです。
廃業の準備
会社を休眠会社とすることは、廃業に向けての準備期間を確保する手段にもなります。休眠中は法人税や消費税がかからないため、経済的負担を軽減しながら、廃業に必要な手続きや財務整理を行う時間を確保できます。また、廃業に際して発生する様々なコストを計画的に管理し、よりスムーズな移行を図ることが可能になります。
会社を廃業する場合、登記や届出といった手続きが必要なため、事業を継続したままでは難しい場合があります。そういった場合に休眠会社の制度を活用するという選択肢は有効と言えるでしょう。
休眠会社にするメリット
休眠会社として事業活動を一時停止することは、経済的負担を軽減するだけでなく、経営戦略の観点から見ても多くのメリットがあります。特に、以下に挙げた4つのメリットについて詳しく見ていきます。
- 休眠中は法人税がかからない
- 手続きが簡単
- 廃業の費用がかからない
- いつでも事業を再開させられる
休眠中は法人税がかからない
休眠会社の大きなメリットの一つは、事業活動を停止している間、法人税がかからないという点です。法人税は、事業所得に対して課税されるものであるため、休眠会社として事業を停止している場合には発生しません。これは、特に財政的に困難な企業にとって、一時的ながらも重要な財務負担の軽減となります。
一方、法人住民税の均等割については、所得に関わらず定額が課税されます。しかし、自治体への休眠届出によって一部免除される可能性もあります。
手続きが簡単
会社を休眠会社にする場合の手続きは、廃業手続きなどに比べて簡単であるという点も大きなメリットです。休眠会社にするための手続きは、主に税務署や自治体への届出によって完結するため、会社を廃業する場合と比べても費用や手間が少なくて済みます。また、事業を再開する際の手続きも届出のみで完了します。こういった手続きの手軽さは、休眠会社を選択するメリットであると言えるでしょう。
廃業の費用がかからない
会社を廃業する際には、一般的には以下のような費用がかかります。
- 登記費用 約5万円程度
- 官報による公告費用 約4万円程度
- 在庫の処分費用 在庫の量に比例
- 従業員の解雇費用 従業員の数に比例
- 専門家への依頼費用 数十万円
これらの廃業に伴う費用を、休眠会社にすることで節約することができるというのは大きなメリットです。当然、将来的に廃業を選択した場合には上記の費用がかかりますが、事業を再開もしくは事業を売却することができた場合には、これらの費用を節約できることのメリットは大きいです。
いつでも事業を再開させられる
休眠会社は、いつでも事業を再開させられるという柔軟性も大きなメリットです。休眠状態の会社は、事業活動は停止しているものの、法人格は維持されています。そのため、休眠の原因となった事態の改善や市場環境の変化、さらには新たなビジネスチャンスが生じた場合、迅速に事業活動を再開することが可能です。これは、事業を完全に廃業してしまった場合には得られない、非常に価値あるメリットと言えます。
事業を再開する際には、届出による手続きのみで済むため、新たに会社を設立する手間やコスト、時間を省くことができます。また、既存の法人名や休眠前に取得していた許認可を使用することができるため、比較的スムーズに事業を再開することができます。
休眠会社にするデメリット
前述したように、休眠会社にするメリットは多岐にわたりますが、一方で考慮すべきデメリットもいくつか存在します。
休眠会社にすることによる主なデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 会社の維持費は必要
- 休眠中も確定申告が必要
- 休眠中も納税義務がある
これらのデメリットを理解することは、経営者が休眠会社への移行を検討する際の重要な判断材料となります。以下で、詳しく解説していきます。
会社の維持費は必要
休眠会社になるとはいえ、法人として存在している以上、最低限の維持費は必要です。不動産を所有している場合には固定資産税、オフィスなどを賃貸している場合には賃料といった維持費がかかります。また、休眠中の会社でも、役員に関する登記などが必要です。役員変更の登記を一定期間怠った場合には、みなし解散となる可能性もあるため注意が必要です。税金に関しても、法人税はかかりませんが、法人住民税の均等割は定額課税されます。休眠を選択する際には、これらの維持費が財務状況に影響を与えることを考慮する必要があります。
休眠中も確定申告が必要
休眠会社であっても、税務処理は必要です。毎年の決算報告や税務申告は引き続き行う必要があるのです。これは、企業が完全に活動を停止している間でも、財務状況の透明性を保つ必要性と、税法に基づく義務があるからです。
確定申告を怠った場合、税務調査の対象になるリスクがあり、将来事業を再開したい時に支障をきたす恐れがあります。特に、2年つづけて期限内申告を怠った場合には、青色申告を取り消される可能性もあるため注意が必要です。
加えて、税理士等の専門家に税務処理を依頼している場合には、その費用も必要となります。
休眠中も納税義務がある
休眠会社では、法人税や所得税のような事業活動に基づく税金は発生しないものの、法人住民税や固定資産税など、特定の税金の納付義務は続きます。これらの税金は、会社の資産や所在地に基づいて課税されるため、休眠状態であっても納税義務は生じます。ただし、休眠状態である旨の届出をすることで、一部もしくは全額免除される場合もあります。
固定資産税については、同一市区町村内の課税標準額が、
- 土地であれば30万円
- 家屋であれば20万円未満
の場合に、免除されます。
法人住民税については各自治体によって取り扱いが異なりますが、届出によって一部または全額が免除される可能性があります。
休眠会社にする方法・手続きの流れ
休眠会社にするための手続きは、会社を廃業するための解散・精算手続きと比べて非常に簡単です。基本的には、適切な届出を行うことで完了します。しかし、手続きの際に注意すべきポイントなどがありますので、以下で詳しく解説していきます。
休眠会社に変更する手続き
会社を休眠会社に変更する手続きの流れを、以下の3ステップに分けて解説していきます。
- すべての事業を停止
- 行政機関に必要書類を提出
- 休眠会社になる手続き完了
1.すべての事業を停止
休眠会社にするためには、まず事業を全面的に停止する必要があります。事業を停止している状態とは、収入も支出も発生しない状態であり、事業活動に関連するすべての取引を終了させる必要があります。また、外部からの電話や郵便物が来ないように、関係各所に事業活動の停止を通知することも重要です。すべての事業を停止することで、会社は法的に休眠状態へと移行する準備が整います。
2.行政機関に必要書類を提出
すべての事業を停止した後は、行政機関に休眠会社となるための届出を行います。以下は、提出する書類と提出先をまとめた表です。
必要書類の提出先 | 提出書類 |
管轄税務署 | ・異動届出書 ・給与支払事務所等の廃止届出書 ・消費税の納税義務者でなくなった旨を記載した届出書 |
都道府県税事務所・市区町村役場 | 異動届出書 |
年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届 |
労働基準監督署 | 労働保険確定保険料申告書 |
公共職業安定所(ハローワーク) | 雇用保険適用事業所廃止届 |
休眠会社になるために、税務署と都道府県税事務所・市区町村役場に対して「異動届出書」を提出します。
税務署に提出する「異動届出書」は、管轄する税務署で直接入手するか、国税庁の公式ウェブサイトからダウンロードすることができます。異動届出書の「異動事項等」の欄に、「休業」と記入して提出します。
また、都道府県の税事務所や市区町村の役場に提出する「異動届出書」については、自治体によって使用される様式が異なるため、所在地の自治体で様式を確認しましょう。
その他の必要書類についても、提出先の各行政機関から様式を取得し、必要事項を記入後提出する必要があります。
3.休眠会社になる手続き完了
必要書類をすべて提出し、これが受理されると、会社は正式に休眠会社となります。休眠会社になると、会社は登記簿上に存在しているだけの状態になります。しかし、休眠期間中であっても、税務申告や役員変更登記などの最低限の法的義務を遵守しなければなりません。これらの義務を怠った場合、、休眠中であっても罰則を受ける可能性があり、将来的に事業を再開する際に支障をきたす場合もあるため、十分に注意が必要です。
休眠会社の事業を再開する場合の手続き
休眠会社の事業を再開するためには、休眠するときに異動届出書を提出した各行政機関に、再度異動届出書を提出する必要があります。税務署に提出する異動届出書の「異動事項等」の欄には、「再開」と記入して提出します。
また、休眠中に会社が青色申告の承認を取り消されていた場合には、青色申告承認申請書の提出も必要になります。
事業を再開するための必要書類と提出先行政機関は、以下のとおりです。
必要書類の提出先 | 必要書類 |
管轄の税務署 | ・異動届出書 ・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書 ・青色申告承認申請書(承認が取り消されていた場合) |
都道府県・市区町村税事務所 | ・異動届出書 |
管轄の年金事務所 | ・健康保険・厚生年金保険新規適用届 |
公共職業安定所(ハローワーク) | ・雇用保険適用事業所設置届 |
休眠会社の変更には費用は発生しない
休眠会社への移行手続きや事業再開のための手続きは、前述の届出のみで完了するため、費用はかかりません。ただし、これらの手続きを専門家に依頼した場合には、依頼費が発生します。
休眠中は、法人税や消費税などの税金がかからないため、財務的な負担は軽減されます。さらには、休眠会社の場合、取得している許認可も維持されるため、事業を再開する場合に、新たに許認可申請をする費用も節約できます。
休眠会社にするときの注意点
休眠会社への移行は、経営上の戦略的な選択として多様なメリットがありますが、その過程でいくつかの重要な注意点があります。将来的に事業を再開する意向がある場合、以下の2点については、特に注意が必要です。
- みなし解散により廃業になる可能性がある
- 役員変更登記手続きが必要な場合ある
以下で、休眠会社にするときの注意点について詳しく解説していきます。
みなし解散により廃業になる可能性がある
休眠会社を長期間放置すると、「みなし解散」となる可能性があります。
一定期間、会社が活動の兆しを見せなかった場合に、会社を解散したものとみなし、登記官の職権によって解散登記がされます。
具体的には、最後の登記を行ってから12年が経過した会社が、法務大臣の広告を受けても必要な登記手続きや「事業を廃止していない」旨の届出を行わなかった場合にみなし解散となります。この措置は、事実上の活動停止状態を長期間放置することによって、登記の信頼性が失われるなどの社会的な混乱を防ぐために設けられています。
みなし解散となれば、会社は強制的に解散したものとして扱われ、さらに復帰の手続きをしないまま3年が経過すれば、廃業状態となり事業を再開できなくなります。そのため、休眠会社の状態を維持するためには、定期的な役員変更登記をする必要があります。
役員変更登記手続きを忘れないように
休眠会社であっても、役員の任期は進行します。役員には通常2年、最長で10年の任期があり、任期が満了すれば役員の変更登記をしなければなりません。役員の変更登記は、変更が生じたときから2週間以内に行う必要があり、怠った場合には100万円以下の過料が課せられる可能性があります。
さらには、役員変更登記を含めた株式会社に関する登記を最後に行った日から12年が経過した場合には、法務局による休眠会社を整理する作業の対象となり、みなし解散になる可能性があるので注意が必要です。
休眠会社の売買は可能?
会社の売買は、一般にM&A(Mergers and Acquisitions)と呼ばれ、ビジネスの世界において重要な戦略的手段となっています。M&Aのメリットは、事業拡大や市場シェアの拡大、新しい技術の獲得など多岐にわたります。また、会社を売却することで、対価を得て事業を継承することができるといったメリットもあります。
では、休眠会社の売買も可能なのでしょうか?答えは「はい」です。
休眠会社は、事業活動は停止していても法人格を保持しているため、M&Aの対象となり得ます。実際、休眠会社を売買することには特有のメリットが存在します。
例えば、個人事業主や企業が、新しい事業を迅速に開始したい場合、休眠会社を買収することで会社設立に伴う行政手続きなどの手間を大幅に省略できます。また、特定の業種での許認可を、休眠会社が既に保有している場合、それらを引き継ぐことで事業展開をスムーズに進めることが可能となります。
休眠会社をM&A(買収・売却)するメリット
休眠会社のM&Aは、多くの企業や個人事業主にとって魅力的な選択肢となり得ます。この戦略を採用することで、廃業コストの削減、法人設立の手間の省略、繰越欠損金の活用、そして許認可の引継ぎといった複数のメリットを享受することが可能です。以下で、これらのメリットについて詳しく解説していきます。
廃業コストがかからない
会社を廃業する場合には、以下のように様々な費用がかかります。
- 登記費用
- 官報による公告費用
- 残存資産の処分費用
- 専門家への依頼費用
これらの費用は、場合によっては数十万円以上となることがあり、特に小規模な事業にとっては大きな負担となります。しかし、休眠会社のM&Aを選択することで、これらの廃業コストをかけずに済むため、経済的に大きなメリットとなります。
法人の設立手続きを省略可能
新たに事業を始めるにあたって法人を一から設立するには、以下のような手続きが必要であり、時間とコストがかかります。
- 定款の作成・認証
- 資本金の払込み
- 各種届出
- 設立登記
休眠会社を買収することで、これらの手続きを大幅に省略し、迅速に事業をスタートさせることができます。特にスピード感を持って市場に参入したい企業や個人事業主にとっては大きなメリットです。
繰越欠損金を活用できる可能性がある
休眠会社の買収は、繰越欠損金の活用という点でも魅力的です。繰越欠損金とは、過去に発生した損失を将来の利益から差し引くことができる制度で、節税効果が期待できます。ただし、この制度を利用するためには、事業の継続性等の適格要件が求められますが、条件を満たせば買収企業は税負担が軽減されるため、大きなメリットになります。
法人が所有する許認可を引き継げる
多くの業種では、事業を開始・運営するために特定の許認可が必要です。
許認可が必要な業種の一例を紹介します。
- 飲食業
- 美容業
- 建設業
- 人材派遣業
- 運送業
- 不動産業
- 酒類販売業
上記の他にも、許認可が必要な業種はありますが、新たにこれらの許認可を取得するには、手間とコストがかかります。しかし、休眠会社を買収することで、休眠会社が取得している許認可を引き継ぐことが可能です。これにより、新規に許認可を取得するための費用や手間を軽減し、事業を迅速にスタートさせることができます。
まとめ
本記事を通じて、休眠会社に関する基礎知識から休眠会社を選択するメリットとデメリット、手続きのプロセスなどを詳しく解説してきました。さらに、休眠会社をM&Aの対象とすることで、廃業時のコスト削減や設立手続きの省略が可能であることも紹介しました。
事業を運営する過程で生じる様々な問題の対策として休眠会社を選択することは、経済的なメリットだけでなく、将来的なビジョンを見据えた経営戦略としても大きな価値を持ちます。しかし、休眠状態にあっても遵守すべき最低限の義務があります。本記事で解説した各種の注意点を参考に、休眠会社制度を効果的に活用していただければ幸いです。
▼監修者プロフィール
岩下 岳(S&G株式会社 代表取締役) S&G株式会社
新卒で日立Gr.に入社。同社の海外拠点立上げ業務等に従事。
その後、東証一部上場のM&A仲介業界最大手の日本M&Aセンターへ入社ディールマネージャーとして、複数社のM&A(株式譲渡・事業譲渡・業務提携等)支援に関与。IT、製造業、人材、小売、エンタメ、建設、飲食、ホテル、物流、不動産、サービス業、アパレル、産業廃棄物処分業等、様々な業界・業種でM&Aの支援実績を有する。現在はS&G代表として、M&Aアドバイザー、及び企業顧問に従事している。