会社統合する7つのメリット!各社の強みを活かしたい会社におすすめ

「会社統合にはメリットはあるの?」「会社統合すれば会社の強みは活かせるの?」というように、会社統合の効果について知りたい方は多いことでしょう。

会社統合には7つのメリットがあり、存続する会社の強みが活かせます。

本記事では会社統合の7つのメリットだけでなく、会社統合のデメリットについても解説します。会社統合にメリットがあるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

会社統合する7つのメリット

会社統合する7つのメリットは、次のとおりです。

    • 各社の独立性・自主性が維持できる
    • リスクを分散できる
    • 各社を統制し監視する体制ができる
    • 従業員の混乱を回避できる
    • シナジー効果が期待できる
    • 大きな意思決定がいち早く行える
    • 統合をゆるやかに進めていける

これらの会社統合のメリットについて解説していきます。

各社の独立性・自主性が維持できる

会社統合は会社の吸収・消滅が行われず、かかわる会社はすべて存続します。

各社が存続して独立性を保てれば、会社ごとのブランド力を活かし続けることが可能です。また、ブランド力が維持されることで、従業員や取引先に混乱をもたらす可能性が低くなります。

大きな経営目的はグループで統一されるものの、各社が目的を達成するために独自の目標を立てて自由な事業活動を行うことも可能です。結果、子会社同士にいい競争力が生まれ、グループ全体が発展していきます。

リスクを分散できる

グループ化した会社はそれぞれ独立しているため、1つの会社が大きな損失を出しても他の会社には大きな影響を与えません。

近年では会社の小さな言動や行動がSNSで取り上げられて、炎上するケースもあります。しかし、会社統合でグループ化していれば、1社が炎上しても他の会社に与える影響を抑えられます。

また、損失を出した会社に対し、その他の会社の利益でカバーしてグループ全体の評価の減少を防ぐことも可能です。

各社を統制し監視する体制ができる

会社統合では、各社が独立して事業を行うため、気付かないうちにグループ全体の利益に反する行動をしてしまうケースがあります。しかし、親会社が子会社を統制し監視することで、グループ全体の足並みを揃えることが可能です。

親会社の主な目的は子会社の動きを監視する役割であり、各社の行動に道筋を立てられます。

子会社にとっても道筋を立ててくれる存在は大きく、集中して業務を遂行できます。

従業員の混乱を回避できる

会社組織に変更がある場合、従業員に不安を与えてしまい事業に影響を及ぼすことがあります。とくに合併のように会社が消滅する場合、従業員は大きな不安を抱いてしまいます。

しかし、会社統合では会社は存続するため、従業員への影響を最小限に抑えることが可能です。仮に働く環境が変化するとしてもゆっくりとした変化であり、従業員の理解を得つつ進めていけます。

従業員の不安が大きくなると業務に支障が出てしまい、場合によっては大量の離職者を生んでしまいます。会社にとって従業員は非常に大切な存在であるため、従業員の混乱を回避できるのは大きなメリットです。

シナジー効果が期待できる

子会社はそれぞれ自社の強みやノウハウを持っており、グループ化すると、その強みやノウハウを全体で共有できます。複数の会社で強みやノウハウを共有すれば、その強みなどを活かし、事業を大きく発展させることができます。

ただし、シナジー効果が得られるのは、各社の連携がスムーズなときであることには注意が必要です。それぞれの会社は独立しているがゆえに、連携せず、強みやノウハウを隠すこともあります。

会社統合の効果を最大限に引き出すためにも、各社の連携を強化して情報を隠せない体勢を整えることが大切です。

大きな意思決定がいち早く行える

独立した会社は各社で目標を設定するため、自社を優先する目標になりがちです。自社の目標を優先すると、子会社同士の目標がずれてしまい、場合によってはグループ全体の利益を少なくしてしまうおそれもあります。

しかし、意思決定機関である持株会社がグループ全体の目標を設定することで、子会社の足並みを揃えることができます。各子会社の目標をすり合わせる必要もなく、迅速な意思決定が可能です。

子会社は大きな意思決定を親会社に任せられるため、自社の業務に集中できます。

統合をゆるやかに進めていける

会社統合は各社が存続して事業を行うため、急な組織編成の必要はありません。徐々に各社の部門や手法を統合していくことができ、課題点を確認しながら改善していくことも可能です。

徐々に統合を進めていけば従業員の不安も出にくく、統合時の人的負担も軽減できます。

会社統合のデメリット

会社統合のデメリットは、次のとおりです。

    • 多くの部門が存在することになり組織が複雑化する
    • 同じ部門が重複しコストが増加する
    • 効率的に仕事ができないおそれがある

会社統合を検討する際には、デメリットの内容も理解しておきましょう。

多くの部門が存在することになり組織が複雑化する

会社統合では各社が自主性を持って事業ができるよう、会社に必要な部門をすべて保有しているため、人事部や総務部などがすべての会社で重複してしまいます。しかも、部門が同じだとしても、事務処理や評価は各社で異なっているはずです。

同じ部門が存在しているにもかかわらず、処理や評価方法が異なることで組織が複雑化し、統合作業がなかなか進まなくなります。

同じ部門が重複しコストが増加する

会社統合では各会社の部門が重複し、グループ全体で考えると相当な重複コストがかかります。

もし、重複している部門を統合しようと考えた場合、専門部門を設置し、長い時間を掛けて進めていかなければなりません。そのため、相応のコストがかかります。

業務改善のためにアウトソーシングすれば従業員の負担は減るものの、コストがかかることには変わりありません。

効率的に仕事ができないおそれがある

会社統合の場合は、各社が存続となりますが、すべて同じプロセスを持っているわけではなく、独自の方法で業務を行っています。子会社で連携して業務を行うときには、プロセスの違いが浮き彫りとなり、スムーズに業務が進行しなくなるおそれがあるため、注意しなければなりません。

そもそも会社統合とは?合併とは違う?

会社統合は会社の組織を整理する手法です。組織を整理する別の方法に「合併」という手法もあります。

会社統合も合併も、会社の組織を整理するという点では同じですが内容は異なります。

会社統合を検討するときには合併との違いを把握し、どちらの手法が自社に適しているのか確認してから進めていきましょう。

会社統合とは

会社統合とは、複数の会社が共同して持株会社を設立して子会社となり、持株会社が親会社としてグループを管理していく手法です。

持株会社には「純粋持株会社」と「事業持株会社」があります。

純粋持株会社とは、子会社の株式を保有することで子会社の統制と監視をする会社です。一方、事業持株会社は、子会社の統制と監視だけでなく親会社自身も事業を行う会社です。

持株会社がどちらの性質を持つかは、統合計画の内容によります。会社統合の効果を最大限引き出せるのが純粋持株会社なのか、事業持株会社なのか判断して統合を進めていきます。

合併とは

合併とは、複数の法人格を1つの会社に統合する手法です。

合併には「吸収合併」と「新設合併」が存在します。

吸収合併とは、主となる会社が相手会社の権利義務を承継し、相手会社の法人格が消滅する合併です。一方、新設合併とは、会社を新設し、新設した会社に権利義務を承継させて自社の法人格を消滅させる合併です。

合併で残る会社を存続会社または吸収会社と呼び、法人格を失う会社を消滅会社と呼びます。

会社統合についてよくある質問

会社統合についてよくある質問は、次のとおりです。

    • 会社統合はM&Aや経営統合とも違うのですか?
    • 会社統合したとき社員への影響はありますか?
    • 会社統合の注意点は何ですか?

会社統合を検討していく過程で、悩みや疑問を抱いてしまう人が多くいます。同じような悩みをお持ちの方は、よくある質問を参考にしてください。。

会社統合はM&Aや経営統合とも違うのですか?

会社統合と経営統合は同じ意味で使われますが、M&Aと会社統合は違う手法です。

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」であり、日本語に直すと「合併・買収」です。合併はM&Aの一種であり、法人格の消滅をともないます。

一方、会社統合は複数の会社が親会社である持株会社を設立し、親会社の傘下に入ります。M&Aと異なり、法人格の消滅をともないません。

会社統合とM&Aは統合の手法が異なるだけでなく、メリット・デメリットも異なります。M&Aについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参照してください。

内部リンク「M&A」

会社統合したとき社員への影響はありますか?

会社統合した際には、社員への影響は少ないと考えていいでしょう。

会社統合は複数の会社が意思決定機関である親会社を新設し、株式移転等を用いて親会社の傘下に入ることでグループの一員に加わります。

会社統合しても会社は独立性を保ったまま存続し、職務内容や待遇が変わることはほとんどありません。

仮にグループの統合が進むとしても、急激な変化ではなくゆるやかな変化で済みます。そのため、従業員にとって変化のために必要な心の準備もできやすく、大きな混乱をまねく確率は低いといえます。

会社統合の注意点は何ですか?

会社統合の注意点は、次のとおりです。

    • 組織が複雑化する
    • コストが増加する
    • 仕事の効率が落ちる可能性がある

会社統合には多くのメリットがあるものの、独立性が保てることで発生するデメリットがあります。

会社統合を計画する場合、注意点をどのように解消するのか考慮しなければなりません。各社の連携が取りにくいこと、各種プロセスの統合など課題を探して改善していきましょう。

会社統合には7つのメリットがある

会社統合することで各社の独立性が保てたり、グループ全体の意思決定を迅速に行えたりします。

しかし、会社統合にはデメリットも存在することには注意しなければなりません。

会社統合をすると組織が複雑化したり各部門が重複したりしてしまいます。仮に各社の部門や手法を統合するにしても、長い時間と労力がかかります。

メリットとデメリットを比較し、会社統合が自社組織の整理に適しているのか確認してから実行することが大切です。

ディスクリプション

経営統合とは、複数の会社が持株会社を設立して子会社が傘下に入る手法です。会社統合にはメリットがあるもののデメリットも存在します。本記事では経営統合のメリットとデメリットを詳しく解説します。合併との違いも説明しますので、ぜひ参考にしてください。

▼監修者プロフィール

岩下 岳

岩下 岳(S&G株式会社 代表取締役) S&G株式会社

新卒で日立Gr.に入社。同社の海外拠点立上げ業務等に従事。
その後、東証一部上場のM&A仲介業界最大手の日本M&Aセンターへ入社ディールマネージャーとして、複数社のM&A(株式譲渡・事業譲渡・業務提携等)支援に関与。IT、製造業、人材、小売、エンタメ、建設、飲食、ホテル、物流、不動産、サービス業、アパレル、産業廃棄物処分業等、様々な業界・業種でM&Aの支援実績を有する。現在はS&G代表として、M&Aアドバイザー、及び企業顧問に従事している。